最近、何もかもが値上げしていて、ガソリン車がいいのか、電気自動車はどうなのかと悩む人も多いのではないでしょうか。
電気自動車に興味があっても、なかなか電気スタンドの設置が間に合ってないんじゃないのかとか、気になる点も多いと思います。
今回は、「EVの新時代の幕開けなのか??」ということで、最近よく聞く自動車メーカーのBYDについて、まとめてみました。
どの電気自動車のメーカーにしようか悩む際にBYDの有無について、参考になればと思います。
BYDの歴史
最近、BYDという自動車メーカーを目にする方も多いのではないでしょうか。
「Build Your Dream(夢を築け)」という、創業者である王伝福 氏の思いを社名にしたものです。
また、「アジアの他社よりも道を開く」という意味に取れて、アジアでナンバーワンの自動車メーカーを目指すようにも思えます。
BYDの中国語名は、「比亜迪股份有限公司(略称:比亜迪)」となっています。
創業は1995年、当初は中国・深圳市のバッテリーメーカーとして事業を営んでおりました。
携帯電話用の2次電池の製造メーカーとして、ニッケル-カドミウム電池の製造を始めます。
2002年には、リチウムイオン電池の生産に進出します。
そして、2003年に中国国営の自動車メーカーを買収して、自動車産業に参入することになります。
BYD は、初となる電気自動車である「BYD F3DM」の開発を開始し、2008 年に発売しました。
これは、世界初の量産型プラグインハイブリッドセダンとされています。
同年、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの会長兼CEOのウォーレン・バフェットは、MidAmerican Energy社を通じて2億3000万ドルの出資をし、同社の株式の10%を取得しました。
ちなみに2010年9月29日には、バフェットとマイクロソフトのビル・ゲイツが中国の工場を訪れています。
さらにこの年に、電気自動車のクロスオーバー「e6」を発表しました。
この車は、世界中の都市でタクシーとして使用されています。
ちなみに日本でも、日本交通グループ関西が、この「e6」をタクシーとして導入したことでも話題となりました。
引用 : BYD社製の電気自動車「e6」をタクシー車両として導入 | 日本交通グループ関西|大阪・高槻・神戸でタクシー予約 (tokyo-nihonkotsu.net)
この車の最大の特徴としてリン酸鉄リチウムイオン(LPF)系の電池を使っています。
この2年後に日本法人を設立、2013年にはハイブリッドセダン「Qin」を発表し、中国のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
2015年には、太陽光発電事業にも乗り出し、世界で最も売れている電気自動車メーカーとなりました。
この年は、電気自動車などで何かと話題のテスラを凌いで、販売台数1位を獲得しました。
2018・2019年には、「BYD K9」というEVバスを沖縄・京都に導入しています。
公共交通機関での顧客などの使用状況を見ていたと思われます。
最近になり、日本でのEV販売を発表、次々と販売店を増やしており、日本市場も取り込んできています。
そして、2023年には、「ATTO 3」の販売をしています。
ちなみに、実際に車両を製造・販売しているのは子会社の「比亜迪汽車(BYD Auto)」です。
BYD創業者について
実際、2009年度版の「胡潤百富榜」の評価では、総資産350億元(約4,556億円)と、中国一の資産家となっています。
2021年のフォーブス世界長者番付では118位になり、163億ドル(約1.8兆円)にも資産が膨れ上がっている人物です。
ちなみに前述した「胡潤百富榜」というのは、イギリスの記者と公認会計士の胡潤(Rupert Hoogewerf)が1999年から製作した中国富豪ランキングのことです。
それでも、王伝福 氏は1996年に安徽省の貧農家庭に生まれています。
湖南省長沙の中南大学冶金学部を卒業、北京有色金属研究所で修士号を取得し、同研究所で金属を分析する研究者でした。
29歳の時に、携帯電話が普及することを予想し、携帯電話のバッテリー電池を作る会社を創業しました。
そして、今のBYD創業者として、世界中で有名になります。
BYDの特徴
日本人としては、あまり目立たないメーカーと思うかもしれません。
しかし、中国では、すごくメジャーな自動車メーカーであり、世界的にも影響力のある自動車メーカーなのです。
2018年春に、CCTV(中国中央広播電視総台)が選出した「中国ブランド18社」の中に、自動車メーカーとして唯一選ばれたり、習近平政権が認めたCMを中国国内で流れているほどです。
これまで、乗用車としては
・BYD ATTO 3(SUV)
・DOLPHIN(小型ハッチバック車)
・SEAL(上級4ドアセダン)
があり、「ATTO 3」に関して、この車種にしては、新興企業としての申し分ない走行性能、だと言われています。
インテリアはユニークで、テーマが「フィットネスジム & ミュージック」と、今までの車にはないデザインとも言われています。
専用プラットフォームである「e-Platform3.0」を採用し、
・ブレードバッテリー
・8in1電動パワートレイン
・高効率ヒートポンプシステム
で、構成されています。
また、150kW(204PS)、最大トルク310N・m、航続距離は約470kmとなっています。
特にブレードバッテリーは、安全性と効率性が高いとされており、バッテリーをブレード上に1つずつ配置しているのが特徴です。
素材は、リン酸鉄を使い資源確保の制約が少なく、衝撃にも強いとされています。
具体的には、「LFP電池は、メリットがあるものの単位重量あたりの蓄電容量が小さい」という弱点がありましたが、これを急速な技術の進歩で弱点を克服しました。
他のEVメーカーもまだ弱点を克服する前は、LEP電池を積極的に採用しなかったため、BYDにとっては追い風といえるでしょう。
それに、ブレードバッテリーは通常のバッテリーと比べて、単位容積あたりの蓄電容量が大幅にアップしています。
元々バッテリーメーカーだったということもあり、リチウムイオン電池の製造で世界第3位、携帯電話用では世界第1位の実力を存分に活かしているように見受けられます。
また、BYDはバッテリーを自社で製造していることで、供給にもコストについてもリスクを抱えていません。
価格は、440万円〜となっており、比較的、手頃感があるといえるのではないでしょうか。
電気自動車が少しづつ普及しており、世界中のブランドが日本にも進出してきていますね。
そんな中で、今回は、比較的新しいと言われる「BYD」について説明してきました。
車選びをする際の参考に少しでもなれば、嬉しく思います。