“低身長症” と “低身長” の違いを理解する
子供の背の低さを気にされているお母様、お父様はたくさんおられます。
パパ友の集まりでも話題になっていたことがあります。
背が低い場合も、病気によって身長が伸びない “低身長症” と、体質や生活習慣などによって身長が低い場合があると言われています。
“低身長症” の場合、病気が原因なので治療を受ける必要があります。
一方、低身長の場合は、生活習慣を正しくするなどで改善することが多いです。
栄養バランスの偏り、間違った生活習慣などが原因の低身長は、正しく、十分な栄養、生活習慣の改善などで、身長が伸びることが多いです。
栄養、睡眠などきちんと整えれば、身長は伸びるはずですから、その時期を逃さず、適切に改善することが大切です。
一方、低身長症は病気が原因ですから、生活習慣の改善だけでは改善しません。
睡眠も十分とっている、栄養も足りているはずなのに、周りの子供たちに比べて、明らかな身長差があれば、躊躇せず、受診されてみてはいかがでしょうか。
早期に発見し、早期に治療を開始することが、何事も解決するためには大切なことです。
低身長症になるのは?
単に背が低いからといって、ただちに “低身長症” に結び付くわけではありません。
しかし、明らかに身長差がある場合は、診ていただいた方が安心できるかもしれません。
“低身長症” の場合、治療をせず放置しておくと、最終身長が130㎝前後になってしまう場合もあります。
“低身長症” を引き起こす病気には、”低出生体重性低身長症”、”思春期早発症”、”ターナー症候群”、”成長ホルモン分泌不全性低身長症” があります。
“低出生体重性低身長症” は文字の通り、生まれた時の体重が少なかったため、標準身長に追いつけず、低身長になります。
“思春期早発症” は、早く思春期が来てしまった結果、身長の伸びが早くに止まってしまいますが、思春期を遅らせることが出来れば、低身長を防げます。
“ターナー症候群” とは、染色体異常によって女性ホルモンが十分に分泌されずに起こります。
初潮がない、140㎝未満の身長というのが特徴だと言われているようです。
これは、女子だけの病気で、2,000人程度に一人の割合で発症するそうですが、成長ホルモン、女性ホルモンを投与することで治療できます。
“成長ホルモン分泌不全性低身長症” は、成長ホルモンが十分に分泌されないので、身長が伸びません。
アルゼンチンの有名サッカー選手であるメッシ選手もこの病気でしたが、10~13歳の3年間、成長ホルモンの治療を続けていたそうです。
現在公表されている身長が170㎝ですから、正しく治療を行えば、身長は伸びると考えられます。
低身長の最大の原因は、栄養と睡眠
ここまで、”低身長症” を見てきましたが、これからは生活習慣、体質などが原因の低身長を見ていきましょう。
身長を伸ばすために十分な栄養が不足したり、栄養がアンバランスだったりすると低身長になりやすいと言われています。
特に、成長期にはたんぱく質が大切です。
ちなみに成長期のダイエットは低身長につながる可能性があるので気を付けましょう。
もし、肥満などでダイエットをするの必要があるのであれば、過度な食事制限ではなく、体を動かしてエネルギーを消費するようにしましょう。
さらに、低身長にとって大きな影響を与えるのが、睡眠です。
成長に必要な成長ホルモンは寝ている間、特に午後10時から午前2時の間に分泌されると言われています。
その時間に起きていると、成長ホルモンの分泌が阻害されるので、注意が必要です。
夜更かしは、低身長につながると考えられますから気を付けましょう。
まとめ
「背が低い」と一言で言っても、”低身長症” という病気が原因の場合と、生活習慣、家庭習慣などを正しく整えれば身長の伸びが期待できる場合があります。
「子供の背が低い」ということが、すごく気になったり、心配なのであれば、受診されてみるのも1つの方法です。
いずれにせよ、親が子供を注意深く観察していて、適切なケアをしてあげれば、改善できる可能性は高いと言えるでしょう。
「身長が低い」という悩みは、一生ついて回る可能性もありますから、成長期を大切に過ごしてあげたいですよね。