睡眠と子供の成長について
「寝る子は育つ」という言葉は、使い古された言葉のようですが、実は、科学的に正しいことを言っています。
“睡眠” と “子供の成長”、とりわけ身長の伸びには、密接な関係があります。
もし、「うちの子の身長の伸びが心配だわ」と思われるのでしたら、お子さんがしっかり睡眠を取れているのか、確認されてみてはいかがでしょうか??
“成長ホルモン” とは、文字通り成長に関係するホルモンですが、それがしっかり分泌されることが成長にとってとても重要だと言われています。
成長ホルモンは、睡眠中に分泌されます。
特に、午後10時~午前2時の時間帯に大量に分泌されます。
最近の子供たちは、夜更かし傾向にありますが、生活習慣が乱れて睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌は悪くなります。
良質な睡眠の目安は、「寝つきが良い」「ぐっすり眠る」「寝起きすっきり」かと思いますが、いかがですか??
睡眠の質が悪く、睡眠不足など生活習慣が乱れると、”メラトニン” というホルモンの分泌が抑えられます。
メラトニンは、思春期の始まりを遅らせる作用があるホルモンです。
思春期の訪れが遅い子供の方が、最終身長が高くなる傾向があります。
身長を伸ばすためには、メラトニンの分泌を促進する必要があり、そのためには睡眠時間の確保がとても大切です。
日本人の睡眠時間は短いの?
子供の成長に睡眠時間は大いに関係がありますが、日本人の睡眠時間の短さは、大人も含めて世界の中ではトップクラスです。
出典 : 現代人の睡眠状況
https://www.nishikawasangyo.co.jp/company/laboratory/topics/01/
大人の場合は、通勤時間が長い、労働生産性が低いなどが考えられます。
また、子供も含めて、インターネットの普及で、ゲームやネットなどで、睡眠時間はさらに、毎年短くなっている傾向にあるようです。
統計を見てみると、日本の中学生の平均睡眠時間は、約7時間であるのに対して、アメリカは7.5時間、ヨーロッパの国々の子供たちは、8.5~9.5時間も寝ています。
確かに、日本人と欧米人の身長を比べた場合、かなりの差がありますよね。
しかし、これは、大人の差であって、子供時代には、大人の差ほど差が無いと思いませんか??
つまり、欧米人は、高校、大学、さらには社会人になっても身長が伸びるのに対して、日本人は、高校生ぐらい、早い場合は中学生で身長の伸びがストップしてしまうので、その差が身長差になると考えられます。
日本人は、早くに思春期を迎えるけれど、欧米人が思春期を迎えるのが遅いからだと言われています。
身長アップのためには、睡眠の質を高めましょう!
身長を伸ばすためには、成長ホルモンを活発に分泌させる必要があります。
成長ホルモンが一番活発に分泌される午後10時から午前2時の間には、しっかり眠っていることが重要です。
部活動やテスト勉強、テレビやスマホいじり 等で、忙しい日々を送る中学生に、「午後10時に寝なさい」というのは、少々酷かもしれません。
しかし、お子さんの身長を伸ばしたかったら、スマホのスイッチを切るぐらいの決断が必要でしょう。
また、睡眠の質アップのためには、就寝直前の食事も避けた方がいいです。
寝る前に食べものを食べると、消化されないものが胃に残ったまま眠ります。
そうすると、睡眠の質は落ちます。
睡眠の質が落ちると、成長ホルモンの分泌が阻害されます。
さらに、寝る直前の食事は、朝食にも影響を与えますから、いいことは何もありません。
寝る前にテレビやスマホ、ゲームは画面からの強い光や内容に脳を興奮させてしまいます。
寝る前には、穏やかな気持ちであることが大切です。
現在、日本の子供たちが置かれている状況は、成長のためには最悪の環境だと言っても過言じゃないですよね。
成長のことを考えたら、早めにスマホの電源を落とし、ベッドに入って眠ることが一番大切です。