成長ホルモンと身長の関係
「うちの子は、よそのお子さんに比べて、身長の伸びが遅いんじゃないかしら?」と悩まれているお母さんも多いようですね。
ただ、成長が遅くてなだけなのか、病気が関係しているのか不安ですよね。
身長が伸びないことに関係する病気として、「成長ホルモン分泌不全性低身長症」というのがあります。
文字通り、成長ホルモンが十分に分泌されない病気です。
プロサッカー選手のメッシ選手がこの病気であったことは、有名ですよね。
彼は投薬治療のおかげで170㎝まで身長が伸びましたから、正しく治療を行えば、心配することはない病気です。
もし、お子様がそうじゃないかと不安に思えば、病院で検査を受ければわかりますから、受診されてみてもいいかもしれません。
この病気のせいで命まで落とすということはありませんが、治療しなかったら最終身長が130㎝ぐらいで止まってしまうこともあります。
「たかが身長、されど身長」、身長は一生ついて回ります。
子供にコンプレックスを与えますし、職業選択の幅も狭めてしまうかもしれません。
もし、この病気だったとしても、早期に治療すれば治ります。
ただ、治療が遅れれば、治りづらくなります。
他の病気と同様、「早期発見、早期治療」が大切です。
成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療法とは
成長ホルモンが正常に分泌されないので、注射で外部から成長ホルモンを補うというのが一般的な治療法なようです。
すぐに効果は表れませんので、数年の治療が必要です。
人によれば、高校卒業まで治療がかかることもあります。
ただ、ホルモン注射は、通院する必要がなく、自宅でできます。
これ用の注射針は細いので、痛みは少ないようです。
お子さんが小さいころや慣れるまでは、親が注射をした方が良いですが、大きくなれば、自分でできるようになります。
成長ホルモンの分泌を補うのが目的なので、毎日打つ必要があります。
打つ場所は、お尻や太もも、二の腕などで、同じ場所に打たないよう、場所を変えて打ちます。
注射のタイミングは、就寝前に1日1回打ちます。
慣れれば、子供でも簡単にできるので、続けやすいです。
一朝一夕に効果は表れませんが、毎日打ち続けると徐々に効果が表れてきます。
ただ、成長ホルモンを投与する時期が遅くなればなるだけ、効果が出るまでに時間がかかり、効果も低いです。
特に、思春期を過ぎてからの治療では、あまり効果的ではありません。
できるだけ、思春期に入るまでに治療を開始することが理想です。
身長が低い人がすべてこの病気ではありません。
医療機関で検査をして、「成長ホルモン分泌不全性低身長症」と診断されて、はじめて治療が開始されます。
成長ホルモン分泌不全性低身長症の副作用と治療費用
成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療法は、外部から成長ホルモンを投与することでした。
外部から成長ホルモンを入れるわけですから、副作用が出ます。
一般的には、頭痛と関節痛と言われているようです。
頭痛は、治療開始直後に起こりますが、ずっと継続するわけではありません。
体の自然な反応です。
関節痛は、治療が成功している証拠です。
成長期の子供が、関節を痛がることがあり、成長痛と言いますが、あれと同じと考えてもらえばいいと思います。
ただ、痛みが我慢できないようであれば、医師に相談する必要があると思います。
まれにですが、白血病や甲状腺機能低下を引き起こすこともあるそうです。
成長ホルモンと白血病の因果関係はまだ立証されていないようですが、起こることもあると言われています。
甲状腺機能低下によって、倦怠感が表れることがあります。
こういう時は、医師に相談しましょう。
治療費は、少なく見積もっても1ヶ月10万円ぐらいかかるそうです。
毎月毎月10万円ほどを負担するのは大変ですが、小児慢性特定疾患医療費受給が利用できますから、地元の保健所で手続すると良いのではないでしょうか。